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群れはなぜ同じ方向を目指すのか? [著]レン・フィッシャー [訳]松浦俊輔 - 谷本束 - 話題の新刊(週刊朝日) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
鳥や魚の群れはなぜあれほど統率された動きができるのか、アリやミツバチはどうやって最短ルートで餌場にたどりつくのか。集団になると個々の能力を越え る知性が出現する「群知能」、交通渋滞から集団の意思決定の方法まで、「群れ」と「集団」をめぐる不可思議を解き明かしている。
群れが従う規則は、実はきわめてシンプル。魚の場合、「前の個体の後を追うこと」と「横の個体と速さをそろえること」の2つだけ。リーダーも存在しない。驚いたことに、人間社会でも集団を動かすのにリーダーは必要ないという。
興味深いのは、問題解決で最も賢明な方法は集団による多数決か、平均値だということ。たとえば、ビンに入れたアメの数を当てさせると、最も正解に近いのはいつも全員の平均値なのだ。
ただし、他人に流されずに各自が自分で考えた答えを提示しないとこうした現象は表れないという。多様性、つまり個々のバラバラさが逆に一つの優れた知性を生むのだ。
固定概念で凝り固まった頭を見事に吹っ飛ばす、強烈な驚きにあふれている。
上のような書評が多いので、群れのシミュレーションや投票制度の問題点の話を重点的にするのかと思いきや、群知能を使った最適化の話や、社会学で使われてるネットワーク科学の話など、連想的で非常に面白い内容でした。
『 群れはなぜ同じ方向を目指すのか? - 群知能と意思決定の科学 -』って本、投票の話からアンサンブル学習的な話に飛んだり、ネットワーク(グラフ理論)のラムゼーの定理とかの話をしたり、内容が連想的で刺激的なんだけど、群れの科学だけに見えるタイトルなのがもったいない
— 黒めだか (@takeshi0406) November 8, 2014
ヒトや集団に関する分野を概観できる読み物は珍しいと思います。ぜひデータ系や物理(シミュレーション)系の研究をしている方にも読んでいただきたいです。関連分野で研究内容を決めかねてる学部生にも刺激になるかも。