歩いたら休め

なんでこんな模様をしているのですか?

【メモ】社会的分離とブラジルナッツ効果 (Social segregation and Brazil nut effect)

人種による棲み分けを説明した Schelling model というものがあります。これは、二次元格子上で、自分が少数派になりたくない(自分と違う人種が多数派だった場合、その人は他の場所に移住する)という性質で、人種による棲み分けを説明したモデルです。

 

また、ブラジルナッツ効果というものがあります。これは「異なる大きさからなる粉粒体を振ると、最も大きな粒子が表面に浮き上がってくる現象」です。お菓子の袋詰めのときに問題になる現象だそうです(柿ピーに柿の種しか入ってなかったら怒りますよね)。数理的にはよく説明できていない現象だそうです。

 

この両方とも、「多くの粒子(人)がランダムに動いている中に秩序があらわれている現象」だという点が共通しています。そして両方とも、「周囲の粒子(人)が同じ種類の場合と違う種類の場合で、異なる相互作用を受けている」、類似した現象なのではないかと感じています。

ブラジルナッツ効果の場合、「同種の粒子が固まる現象」「(直感的には沈んでいくはずの)大きい粒子が浮かび上がる現象」の二つが同時に(あるいは関係しあって)発生しているように思います。この一つ目の「同種の粒子が固まる現象」については、Schelling modelと同様、種類間で異なる相互作用を受けていることが一番の要因なのではないかなーとなんとなく感じています(感じている、思っているが多い、適当な文章)。

例えば、「質量の重い粒子と軽い粒子が衝突した時、軽い粒子が弾かれて大きく移動する」「対して同程度の質量の粒子が衝突すると、同じくらい弾かれる」というような、異種間の相互作用の違いというものはある気がします。それがSchelling model的な効果を生んでナッツのsegregationが起きている、と解釈できないでしょうか?

 

さらに、ランダム性(ブラジルナッツが入った容器を振る強さ)を(Schelling modelに類似した)Ising modelの温度のような概念でモデリングして、どれくらいのランダム性のときに分離が発生したりしなかったりするのかを説明できるとアツそうです。

その結果、柿の種とピーナッツの分離を数理的にコントロールすることができるようになり、お菓子業界が少しハッピーになるかもしれません。

追記