歩いたら休め

なんでこんな模様をしているのですか?

【論文】他人の「意見」が直接観測できず、その人の「行動」で推論するモデル

論文を読みました。

[0711.1199] Continuous Opinions and Discrete Actions in Opinion Dynamics Problems

 

統計力学でおなじみIsing model等で、人間社会の相互作用を表現しようとする研究は多いですが、暗黙のうちに「エージェントの意見がすべて公開され、常時影響を与え合っている」ことが前提になっています。しかし、例えばSNS上では、友人の持つ意見について、その人が公開しているポストを通じて推察します。

詳しくはこの前読んだ論文にまとまっています。

【社会シミュレーション】ソーシャルメディア上の意見形成についての論文のイントロダクションを翻訳してみました - 歩いたら休め

 

というわけで、Continuous Opinions and Discrete Actions in Opinion Dynamics Problems(意見の力学問題上の連続的な意見と離散的な行動)のイントロダクションを適当にメモしておきます。この効果(他人の行動を通じて意見を推論する)を入れると、過激化した意見を持つ人が現れる傾向にあるそうです。

 


1. Introduction

意見のダイナミクスのモデル( Opinion dynamics models)は2つのグループに分けられる。

1. 意見(opinion)が離散的なモデル
異なる二値の値(賛成、反対など?)だけを表現することが多い
例えばIsing modelを労働者のストライキ[2]
コンセンサスの出現[3](voter model; エージェントが一度に隣人の一人にしか影響しない[4,5])

「二値の選択」を表現するのに良い。
過去の記憶が無い
問題点:activeなブラウン粒子[11]のように粒子がエネルギーを貯める場合
別の問題点:意見の過激化が二値では表現できない

2.意見が連続的なモデル
Deffuant model[9]、Hegselmann-Krause model[10]など
どちらも有界の”信頼区間”があり、あまりに意見が異なる人からは影響を受けない

この論文では、エージェントの連続的な意見は他人から直接観測できず、
その人が行動(action)を起こしたときに離散的な値として観測できるモデルを提案。
意見は内的な関数で表現され、エージェントがどちらを選択するのがいいか推論すること、
つまり簡単なベイジアンの式で表現できる。
この更新ルールを正方格子上のvoter and Sznajd modelで実行。
Sec2: このContinuous Opinions and Discrete Actions(CODA)を説明
Sec3: voter modelに適用
Sex4: Sznajd modelに適用