歩いたら休め

なんでこんな模様をしているのですか?

【R】「20代のエンジニアの間で本当にPHPは廃れたのか?」を集計する

前回の記事で、転職ドラフトのデータをスクレイピングし、簡単な分析を行いました。

kiito.hatenablog.com

ただし、こちらの記事の時点では、転職ドラフトは終わっておらず、中途半端なデータの状態のまま集計していました。 特に最終日に多くの指名が入っていたようで、そこで傾向が変わることは大いに考えられます。

今回は、

  • 年齢と最高提示額の関係を集計する
  • 20代のエンジニアの間でPHPは本当に廃れたのか?

の2点に絞って調べてみようと思います。

なお、前回行った「年齢と最高提示額の関係を集計する」については、そもそも問題設定(「入札額が高いエンジニアに特有なスキルがある」という仮説自体)が的外れである可能性が高いように思うので、今回は実施しませんでした。

年齢と最高提示額の関係を集計する

前回同様の積み上げ棒グラフでのプロットを行いました。

f:id:takeshi0406:20170427225206p:plain

前回の記事のグラフがこちらです。比較すると、「ノーマル級」が一気に減っていることが目立ちますね。

f:id:takeshi0406:20170427224650p:plain

前回同様、上位層だけに注目したグラフをプロットしてみます。前回はここまで集計すると20代後半が減っていましたが、今では30代前半と同様まで残っていることが分かります。

f:id:takeshi0406:20170427230237p:plain

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20代のエンジニアの間でPHPは本当に廃れたのか?

こちらの記事の中で、「25〜27歳ぐらいになっている若手エンジニアにPHPの経験がない人が増えている」という記述がありました。

devblog.thebase.in

リブセンスさんが運営されている転職ドラフトという転職サイトで、全員のプロフィールを読んでいて薄々気がついていたことに改めて気がつかされたのですが、BASEの方でサーバサイドに使っているメインの技術はCakePHPというフレームワークでありPHPの技術なのですが、

新卒の就職先がRubyを使っていて、今、25〜27歳ぐらいになっている若手エンジニアにPHPの経験がない人が増えている!

しかし、われわれエンジニアはデータを見ずに判断してはなりません。

まず、30代のエンジニアの人数を調べてみましょう。次のようなコードで集計すると、

  • 30代エンジニアは145人
  • 20代エンジニアは122人

であることが分かりました。

# 年代の人数を調べるコード
df %>%
  dplyr::filter(readr::parse_number(age_name) == 30) %>% # 「20」に変更する
  dplyr::distinct(user_id) %>% 
  nrow()

次に、各年代の利用人数(count)と普及率(rate)の上位10件を取得してみます。

df %>%
  dplyr::filter(readr::parse_number(age_name) == 30) %>%
  dplyr::group_by(skills) %>%
  dplyr::summarise(count = n()) %>%
  dplyr::arrange(desc(count)) %>% 
  dplyr::mutate(rate = count/145) %>% 
  head(10)

30代の結果がこちら

skills count rate
MySQL 77 0.5310345
Java 68 0.4689655
JavaScript 67 0.4620690
PHP 53 0.3655172
AWS 43 0.2965517
Jenkins 43 0.2965517
Ruby 41 0.2827586
jQuery 41 0.2827586
Apache 36 0.2482759
Git 32 0.2206897

20代の結果がこちらです。

skills count rate
MySQL 55 0.4508197
JavaScript 54 0.4426230
AWS 44 0.3606557
PHP 39 0.3196721
Ruby 38 0.3114754
Java 35 0.2868852
jQuery 34 0.2786885
docker 29 0.2377049
Git 29 0.2377049
Jenkins 26 0.2131148

きちんとした技術の名寄せなどを行っていないラフな集計であるものの、たしかに、PHPの普及率が約37% => 約32%に減っており、Rubyの普及率は約28% => 約31%まで増えています。ただし、これが大きな問題になるほど「PHPの経験がない人が増えている」かどうかは分かりません。

もしかすると、企業側から参加者のプロフィールを見て「きちんとした(PHP|Ruby)のプロジェクトに参加したことある」と判断されるもので絞り込むと、この差はもっと広がってしまうのかもしれません。

また、今回は「一気に利用率が(上がった|下がった)技術」も集計すると面白いかもしれませんね。一時期「Smalltalk年収高いけど高齢化もすごい!」と話題になった、以下のツイートのグラフと同じ似た集計を行っても面白いかもしれません。

まとめ

以下のことは言えたと思います。

  • 転職ドラフトの終盤で、20代後半でも高額の指名が入っていた
    • 20代も安心して転職ドラフトに利用しよう!
  • PHPの経験のない人は増えているが、「そこまで極端に減ってなくない?」とも感じた