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歩いたら休め

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【読書】(ITエンジニアの勉強をサボって)『方言学入門』を読みました

本・論文 社会科学

妹が言語に興味があるとかで、授業で使って面白かったという方言学入門という本を貸してくれました。

方言学入門

方言学入門

www.sanseido-publ.co.jp

いい本でした。

「新しいボキャブラリーが都市部(関東)から地方へと広がっていく」方言周圏論は知っていましたが、逆に都市部のほうが「言語はこうあるべき」という規範意識が強く、逆に地方から言葉が変化していく場合があるという話は興味深かったです。例えば「ら抜き言葉」は言葉の仕組みとしては合理的(受け身と可能が区別できる、むしろ文法的に自然)だが、都市部ではメディアにより「間違った日本語」という意識が強く広まっており、逆に地方のほうが変化が早い、いう議論もあるそうです。

また、「方言コスプレ」というテーマも面白そうでしたし、

www.athome-academy.jp

地域×年齢という軸で「方言の地理的分布と、年代変化を併せて見ることのできる図」であるグロットグラムというプロット方法は、他の分野でも似たような方法で図示できそうです。

甲南大学 文学部 日本語日本文学科 都染直也ゼミ紹介

グロットグラムは日本で考案された方言研究の技法で、「地理年代言語図」とも呼ばれ、方言の地理的分布と、年代変化を併せて見ることのできる図です。

ここでは、2012年度の調査結果で、JR姫新線(きしんせん、兵庫県姫路市岡山県新見市に至る158㎞)沿線における、理由を表わす「~から」の地域差、年代変化を紹介します。まず、地域差。岡山県が「~ケー」の西部と、「~ケン」の東部に分かれます。一方、上月以東の兵庫県にはそれらの回答がなく、岡山県兵庫県の間にも明確な境界線が確認できます。岡山県では地域差は見られますが、年代変化は見られません。兵庫県では、高年層と低年層ではっきりと回答に違いがあります。中でも低年層女性では、全員が「~から」という共通語形で、方言形は一例も回答がありません。高年層における「岡山県西部vs岡山県東部vs兵庫県」の対立と同様に、低年層にも「岡山県西部vs岡山県西部vs兵庫県」と言う対立がありますが、その内実が異なっています。つまり、地域によって方言変化の様相が異なっていることがわかります。この他にも、グロットグラムを使うと、ことばの伝わる速度を推定することもできます。

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