めちゃめちゃ勧められてたので『歴史から理論を創造する方法: 社会科学と歴史学を統合する』という本を読んでいます。自分もちゃんと読めてないのですが、色々な方に役に立つ考え方が詰まっている本だと思うので、僭越ながらシェアします。
『歴史から理論を創造する方法』が実際スゴイ本だったので特別演習にすること決定。歴史哲学が好きな人、科学哲学が好きな人、そし無論のこと歴史と社会科学を愛する人なら誰でも興奮できる本だと思った。
— 開途 (@KaitoSSS_) May 31, 2015
うまく書評のような形にまとめられるといいんですが、ちゃんとまとめて紹介できるほど理解できてないので、興味のある方はぜひご自分で読んでみてください。
開途センセーが絶賛してた『歴史から理論を創造する方法 社会科学と歴史学を統合する』を買ってみた。「同じ社会現象は二度とないから記述することが大事」という立場と、「社会現象を抽象化して繰り返し発生するパターンを見つけよう」という立場をがんばって統合しようと論じてるみたい。
— 黒めだか (@takeshi0406) June 1, 2015
歴史学は「木を見て森を見ない」状態になりやすくて、社会科学は「自分に都合のいい歴史を集める」ことになりやすいって言ってた
— 黒めだか (@takeshi0406) June 1, 2015
「自分にとって都合のいいデータを使って主張してしまう」というのは、研究以外でもよく見かける&自分でもやってしまう過ちだと思います。例えば「日本文化は海外でも人気である」と主張する際に、日本が好きな外国人だけをピックアップし、日本と関わりの持つ国全体を考慮に入れてないというようなことです。
本書の主張の流れはだいたい以下のようなものです。
だいたい歴史学者は、「歴史は一回きりであり、そこに規則性はない」と考えるらしい。 一方の社会科学者は、社会現象にあるパターンを見出し、その規則性の説明を試みる。
— ヨナキ・ソバ (@yonakisoba) May 15, 2015
だから、歴史学者と社会科学者とは、その目的と方法が違う。 それぞれに、利点と欠点があるが、この両者はどうも緊張関係にあるらしい。
— ヨナキ・ソバ (@yonakisoba) May 15, 2015
それには色んな理由があるが、その1つは、社会科学者は歴史学者の研究を二次使用することがあるが、歴史学者はあまり社会科学者の研究を利用しないという、非対称性があるということ。
— ヨナキ・ソバ (@yonakisoba) May 15, 2015
歴史学者と社会科学者の利点を統合するにはどうしたらいいか?つまり、歴史分析をした後に、それをどう理論化すればいいか?その方法を探るのが、『歴史から理論を創造する方法』(保城広至)。著者が提唱するのは、「中範囲の理論」を構築すること。http://t.co/EAMTv3Pmvs
— ヨナキ・ソバ (@yonakisoba) May 15, 2015
また、シミュレーションを使って社会を研究しようとしていた自分にとっては、第3章94ページに気になる記述がありました。
「日本におけるマルチエージェント・シミュレーションによる国際政治分析の第一人者である山影進も、シミュレーションとアブダクションの親和性を示唆している(山影 2014,4)。」って『歴史から理論を創造する方法』に書いてた
— 黒めだか (@takeshi0406) June 6, 2015
アブダクションとはC.S.パースという科学哲学者が考案した帰納法に近い考え方のようで、「仮説(前提条件)から十分条件を見つける」帰納法とは違い、「少数の事例から必要条件を見つけ、仮説自体を構築していく」方法であるようです(自分の理解が間違っているかもしれませんが)。
自分の推測ですが、「アブダクションによって仮説を作り、それを検証する手段の一つとしてシミュレーションを用いる」という感じでしょうか 。参考文献であるこの本も読むべきだという気がしています。
アナーキーな社会の混沌と秩序: マルチエージェント国際関係論のフロンティア (人工社会の可能性)
- 作者: 山影進
- 出版社/メーカー: 書籍工房早山
- 発売日: 2014/05/15
- メディア: 単行本
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以下、関係ありそうなツイートを列挙します。
【重版】本日重版出来です。『歴史から理論を創造する方法』(保城広至)すぐれた研究をするための方法論とは?理論志向の社会科学者と、歴史的事実を重視する歴史家の溝とは?解決法を提示する!専門用語を易しく説明する「ショート解説」つき。http://t.co/m61IvdYto1
— 勁草書房 (@keisoshobo) June 1, 2015
保城広至『歴史から理論を創造する方法』勁草書房、読み終わった。「木を見て森をみない」弊に陥りがちな歴史学と、「都合の良い事象のつまみ食いによる理論化」に陥りがちな社会科学はいかにして調停できるのか?この課題に敢然と立ち向かった良書。http://t.co/k47Yg3Lfrn
— 田畑暁生(Akeo Tabata) (@akehyon) June 5, 2015
『歴史から理論を創造する方法』を引き続き読書中。歴史学者と社会科学者について、後者が前者の研究を参照することはあってもその逆はないと非対称性を説くが、文化人類学の研究を歴史学者が参照することはよくあるよなと。特に中国古代だと欧米の研究書では文化人類学の手法を応用しているものが多い
— Archer(大言微義) (@Archer12521163) June 4, 2015
で、昨今ではその分野の専門的訓練を受けたわけではない歴史学者が、安易にそのような手法を使ってもよいのかという批判も出ていたりする(http://t.co/TlMltfTFBV)
— Archer(大言微義) (@Archer12521163) June 4, 2015
保城広至『歴史から理論を創造する方法:社会科学と歴史学を統合する』http://t.co/7TXe7sWOdC 以前公開されていた論文 https://t.co/BfujqSs9YY を基にした方法論の本だと思う。
— type303 (@type303) March 30, 2015
歴史から理論を創造する方法: 社会科学と歴史学を統合する http://t.co/KWOeKc1IUB |概要を読むとピーター・バーグの『歴史学と社会理論』に似ている感じがするけど、この本めちゃくちゃ面白そう。とりあえず予約しよう。
— 池尻良平 (@ikejiriryohei) February 12, 2015
『歴史から理論を創造する方法』とどいたけど,引用文献にピアソンもスティンチコムもなくてあれってなってる。
— やんべ (@masashy8) April 4, 2015