会社の偉い方から稲盛和夫さんの本を薦めて頂いて、「これはたしかにカリスマ性ありそうだな」という箇所もあれば、違和感ある箇所もある(根性論的すぎない?)感じです。
そのため、あえて稲盛さんを批判している本を探して、逆の意見も読んでみることにしました。その中で虚飾の経営者 稲盛和夫という本のレビューで以下の文章を見かけ、こちらの2冊を読んでみることにしました。
稲盛和夫礼賛本が氾濫する中で、本書の存在に一定の意義はあるとは思う。しかし、その批判の踏み込み方がイマイチ甘い。「京セラ悪の経営術」(滝本忠夫)や、「京セラ・血塗られたバランスシート―稲盛和夫の凄絶経営」(伊部四郎)ほどのインパクトもない。
京セラ悪の経営術
- 作者: 滝本忠夫
- 出版社/メーカー: イーストプレス
- 発売日: 1999/11/01
- メディア: 単行本
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「ソーラーカー研究部門のマネージャの退職エントリ」といった内容の本。けっこう黒い話も出てきます。
ただ、こちらの本についてはたしかにレビューにあるように次のような印象も受けます。
しかし、ここに著された事がそれほどの悪なのかと言われるとそうは思えない。情けない事にこういった事は他の企業でもかなり悪質に行われている事例であるからであり、悪質度が更に高かったりする。一企業というよりも資本主義社会全体での問題であるという風に感じた。
筆者の言わんとする事は尤もな事で理解できるが、著者はあまりにも職人肌で潔癖症に過ぎる方であるように感じた。日産系(かつては労働組合が強く負け組みの象徴であった)の企業から京セラへ転職された事もカルチャーショックとなって現れて恨み節となってしまったのではないだろうか。
京セラ・血塗られたバランスシート―稲盛和夫の凄絶経営
京セラ・血塗られたバランスシート―稲盛和夫の凄絶経営 (1985年)
- 作者: 伊部四郎
- 出版社/メーカー: 山手書房
- 発売日: 1985/05
- メディア: ?
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80年代の古い本ですが、こちらはけっこう面白い内容でした。
特に『「技術の京セラ」の実態』は「労働集約的なシステムになってしまっていて新しい技術が導入できない」という話で、分野が違うものの私も技術者として身を立てようとしているので、自分も思うところはあります。
ただ、「他社がすでにやっている人工宝石をブランドとして成立させてしまった(値決めは経営である)」ような話は、(技術面は判断できませんが)むしろマーケティングやブランド戦略として見るとしたたかで優れてるんじゃないかという印象もありました。近くで見ていただけあって、当時もある種のカリスマ性のある方だったことが伺えます。
まとめ
次はJALの再建の本も読んでバランス取ってみます。できるだけフラットな視点のものが無いものか。