しばらく間が空いてしまいましたが、社会シミュレーション勉強会(SSC輪読会)の第2回目を開催しました。@KaitoSSS_ さん、準備ありがとうございます。
【勉強会】SSC輪読会 Vol.1を開催しました! - 歩いたら休め
今回は自分の好きな章を予習してそれぞれが発表する形式でした。
のですが、最初に@KaitoSSS_ さんが大学の授業で作ったM.アルヴァックスの集合的記憶論のトイモデルについて議論していたら、いつの間にか勉強会の2時間中の1時間を消費してしまいました(自由だね!)。
集合的記憶論は「純粋な個人的な記憶はなく、記憶は社会的に構成される」ことを主張しているそうです。この主張を、現代の認知科学で導き出せるような仮定(+個人間の相互作用)だけで再現するということを、シンプルなモデルを使って説明していました。
次は、@sigaikijin495 さんが17章の"Learning"(学習)を発表しました。
Simulating Social Complexity: A Handbook (Understanding Complex Systems)
- 作者: Bruce Edmonds,Ruth Meyer
- 出版社/メーカー: Springer
- 発売日: 2013/04/17
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社会シミュレーションの性質は、emergence(創発)、downward causation(以下DCと呼ぶ)の二種類があり、学習や進化は後者のほうの性質を指します。
前者は統計力学的な発想で「人の集積として、集団がどのような性質を持つのか」というミクロからマクロを説明すること、後者は「例えば社会のふるまいを学習し、構成員の行動が変化する」ようなマクロ→ミクロのフィードバックを説明することです。
金融市場のシミュレーションでは特に、「金融市場の動向を見て、エージェントが投機する」というマクロ→ミクロの学習が重要になります。