この間、稲盛和夫さんを批判している本を読んだので、今度は支持している立場の本を読みました。
- 作者: 高巖,藤原達也,藤野真也,大塚祐一
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2019/05/23
- メディア: 単行本
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2010年に破綻した日本航空(JAL)。同社はなぜ破綻したのか。そして稲盛和夫氏はこれをいかに再生したのか。モノ(機材・路線)、カネ(有利子負債・キャッシュフロー)、ヒト(人件費・年金問題)に関する、8年を超える広範な調査・分析を踏まえ、歪んだ経営哲学がJALの凋落にいかなる影響を及ぼしたのか、稲盛氏がJAL再生で果たした最大の貢献とは何だったのかを明らかにする。
本の内容は、こちらの記事にあるような内容を説明しているようなものです。
再建にあたってJLでは、破綻に至った原因が「採算性の度外視」「大型機の大量保有」「人件費などコストが高い構造」「永続的な経済成長を前提とした経営」などであったとし、それらが「拡大主義」「イベントリスクに対する耐性の欠如」などにつながったと分析。また、「(JLの)元々の出自、政府出資の国際航空会社としての設立から我々が至ったところは、財務的規律の統制がはかれず、組織も硬直」したものであったという。
大西氏は、これらの課題に対して、組織的な構造改革と従業員の意識改革に取り組んだと説明。事業構造改革では、「イベントリスクに恒常的にさらされる」ことを前提とした「リスク耐性の強い筋肉質な財務基盤を作る」ため、赤字路線からの撤退などによる事業規模の縮小、保有機材の最適化、人員規模の削減、人件費単価の削減、年金制度の見直しを実行した。
ただ、どちらかというと西松遙さんの功労をたたえている内容で、最後の「経営者のあるべき姿」も、それまでの実証的な文体から逸れてちょっときれいにまとめようとしすぎている感じがしました。